むちうち後遺症とは?その症状と長引く理由
むちうちの後遺症とは?その症状と発生メカニズム
むちうちは、交通事故などで頭が強く揺さぶられて首に負担がかかり、痛みやしびれが出るケガです。正式名称は「外傷性頚部症候群」で、頚椎捻挫とも呼ばれます。
レントゲンに映らないむちうち症の症状
スポーツ等で首に大きく強い衝撃による首に掛かる負担が、首の組織を傷つけた際におこります。
交通事故やスポーツでの首に掛かる怪我には、受傷初期で、骨折や低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症)という可能性もあるので、総合病院や整形外科での診断を必要とします。
むちうちは、首の「筋肉」や「靭帯」の損傷が招く症状のことをいいます。
筋肉や靭帯の損傷は、レントゲンには写りません。(エコー画像で筋肉の状態を把握する方法はありますが、症状がある場合の原因調査が主になり、無自覚の場合での病院での使用頻度は少ない。)
救急で運ばれた病院で、「骨には異常がない」と言われた状態は、現在の診断の結果、重篤な症状は出ておらず、骨折などもない状態ということです。
でも、「筋肉」や「靭帯」の損傷は起こっている可能性があります。
むちうち症の後遺症に多い痛みとその他の体の不調
むち打ち症の主な症状は首の痛みや上肢のしびれ、頭痛、めまい、耳鳴り、全身倦怠感などです。中には後遺症として、残ってしまう症状も多いため、早めの改善を目指す必要があります。
- 首の痛み: 事故の直後から首の痛みを感じることがあります。首の筋肉や靭帯が傷ついたため、痛みが生じます。
- 上肢のしびれ: 首の神経が圧迫されることで、腕や手にしびれを感じることがあります。特に肩から腕にかけての症状が出やすいです。
- 頭痛: 首の筋肉や神経の炎症が原因で頭痛が生じることがあります。
- めまい: 首の痛みや神経の圧迫により、めまいを感じることがあります。
- 耳鳴り: 首の痛みや神経の圧迫により、耳鳴りを感じることがあります。
- 全身倦怠感: むちうちの症状により、全身的な疲労感やだるさを感じることがあります。
次に、これらの症状はむちうちの後遺症として残りやすい傾向があります。
あれ?このあたりの症状ってむちうちの症状と同じかも?
そうですね。
骨に異常がないと言われたむち打ち症状は主に首の筋肉や靭帯の異常が引き起こす症状です。
ここに対応していかないと、症状が慢性化、残ってしまうということになってしまいます。
むちうちの後遺症の治療の種類
後遺症って、症状が慢性化しちゃったってことなの?
全く同じ症状かと言われると、厳密には違うこともあります。
慢性化してしまった症状は、ひどくなったり、別の場所に痛みとして出てきたり広がる可能性もあるので、要注意です。
ここでは、一般的なむちうちの症状の治療の方法を紹介して解説しますね。
むちうち症の治療には、薬物療法、物理療法(リハビリテーション・理学療法)などのアプローチが一般的です。
薬物療法
主に整形外科、病院で処方される薬物療法です。
医学的治療の一環として最も一般的なのは薬物療法です。炎症を抑え、痛みを管理するために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることが多いです。必要に応じて筋肉弛緩剤や鎮痛剤も用いられ、症状の緩和を図ります。
物理療法(リハビリテーション・理学療法)
理学療法士、柔道整復師によるマッサージや熱治療、超音波治療などが行われることがあります。これにより、血流が改善され、炎症が軽減され、筋肉の緊張が和らぎます。さらに、患者さんに合わせたストレッチや強化エクササイズが提供され、長期的な症状の管理と機能の回復を支援します。
※接骨院で提供しているのはこの物理療法に当たります。
薬物療法と物理療法で何が違うの?
おおまかにいうと、薬物療法は今の痛みを抑え込む。
物理療法は痛みの原因を身体の機能を改善させることで解消しようとする。といった感じでしょうか。
薬物療法は、今の痛みなどを抑えているうちに自然治癒力で改善を促すもので、治療の本質は自然治癒力になります。
そのため、整形外科などでもリハビリテーションとして理学療法士による物理療法を行うところがほとんどです。
そうなんですね、では、むちうちの症状の原因は物理療法で対応しているということなんでしょうか?
一部、筋弛緩剤などの薬物療法が使われることもありますが、ほとんど、鎮痛、炎症を目的とした薬剤なので、後遺症などの根本改善は、物理療法が中心と考えていいと思います。
コリや異常硬直で血行が悪化し自然治癒力が落ちていたら、いくら薬で抑え込んでも改善しないことになってしまいますからね。
むちうち後遺症が長引く理由
むちうちの後遺症を抑えるには適切な初期治療が必要
受傷後できるだけ早くの治療開始が好ましいですが、どうしても症状の発見や治療への取り組みへの認識から遅くなりがちです。
またどんどん症状が悪化することも少なくないのがむちうち症の特徴です。
あーたしかに。むちうち症で病院に行って、薬貰ったら、なんか治療してるって思っちゃうよね。
物理療法リハビリのが原因に対処してるなんて気付かないかも?
病院行って薬だけで帰っちゃう、リハビリなんて時間取れないよって人は実は結構います。
【通いやすいところ】で、治療を受けるというのも非常に大事な点です。
不適切な治療とその影響
後遺症として残さない適切な治療とは?
早めに適切な治療を受ける大事さはわかりました。
後遺症を残さないための適切な治療ってどんなものですか?
むちうち症は、首の筋肉靭帯の損傷から症状が起こっている事がほとんどです。
そのため、きちんと首の筋肉の変化に対応できる治療を受ける必要があります。
特に、後遺症など長引くむち打ちの症状の場合、症状は、頭痛や目眩、手のしびれ、コリと首だけの不調では解消できなくなっているケースが多いのです。
そのため、適切な治療とは、症状を引き起こしている可能性のある、首および首の周辺の筋肉の硬直にきちんとケアできる治療のことだと考えられます。
筋肉が硬直してしまうと、肩コリだけでなく、胸の筋肉が固くなり、猫背や腰痛と症状が広がってしまうこともあるんです。
身体の柔軟性、自然回復力が衰えてきた年代の人は要注意です。
不適切な治療とは?
むちうち症の治療で悪くなっちゃったってあるんですか?
やっちゃいけない治療等って?
うーん、何かしら、根拠があり治療を行っているので、一概に駄目だとは言いにくいですね。
ただ、不適切な治療として、絶対ダメなものは、「症状の放置」であることは言えます。
例えば、
- たいした痛みじゃないから、大丈夫と我慢してしまう
- 病院に通っているから大丈夫と悪化しているのに放置してしまうこと
- 一週間に一度と言われたので辛いけど我慢しよう
これは、なるべく早く治療を相談、行うべきです。
病院、整形でも薬だけで治療した気になってると、怪我の原因自体は放置してることになっちゃうから、こういうのが良くないのね。
そうですね。
当院に通われるてる方の多くは、「こんなこと誰も教えてくれなかった」とおっしゃる方が多いことからも、
不適切な治療というより、適切な治療を受けずにいる方が多い印象です。
なるほど、わかりやすく教えてくれて、きちんと必要な時に必要な治療が受けられる事って、とても大事なのですね。
後遺症が長引かせないためにも、ご自身の生活リズムの中できちんと治療を受けられる治療機関を選ぶことが重要になります。