交通事故後に体調不良が続く理由と対処法

事故後、後から出てくる症状はよくあることなのですが、
その原因や適切な対応方法を知らないと、放置することで不安や更なる健康問題を招くこともあります。

この記事では、当院に相談頂いた多くの経験上、交通事故後に起こり得る体調不良の理由と、気をつけていただくことと、その対処法について詳しく解説します。
また、必要な医療対策や法的な保護にも関わります。事故後の不安を解消し、一日も早く日常生活に戻れるようにするための手助けとなれば幸いです。

交通事故後、しばらくしてから出てくる体調不良

交通事故後、後から出る症状（遅発性症状）とは？

交通事故による衝撃は、すぐには症状が表れないことがよくあります。
この「遅発性症状」は、事故から数時間後から数日後に頭痛、めまい、首や背中の痛みとして出てくることが一般的です。特に、むち打ち症は最も知られている遅発性症状の一つで、首に強い力が加わることで首周辺の筋肉や靭帯が損傷します。

交通事故後の体調不良が起こるメカニズム

交通事故による衝撃は、すぐにわかりやすい症状を引き起こさないこともありますが、事故の衝撃が内部に隠れた影響を与えることがあります。このような場合、物理的なダメージと心理的なストレスが相互作用し、体調不良を引き起こす可能性があります。

物理的損傷

• 神経系の影響: 衝撃が神経組織に損傷を与える場合、それが痛みや感覚の異常を引き起こし、場合によっては長期間にわたる問題となることもあります。
• 筋肉と骨格の損傷: 事故の衝撃により、筋肉や骨格に直接的なダメージが生じることがあります。これによって、痛みや動きの制限が発生し、日常生活に支障をきたすことがあります。

心的ストレス

• 心理的トラウマ: 交通事故は、心理的トラウマを引き起こす強い出来事です。これにより、不安、抑うつ、PTSD（心的外傷後ストレス障害）などの心理的症状が現れることがあります。
• ストレス反応の生体影響: ストレスは体に多くの生理的変化をもたらします。例えば、ストレスホルモンの増加は睡眠障害や消化不良、免疫系の低下など、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

体調不良が慢性化？長引く理由

その不調の原因は首の筋肉にあります。

• 首の筋肉は頭・肩・背中・胸など複数の部位につながる筋肉が重なっていること。
• 首の筋肉の下には大切な神経が走っていること。
• 首の筋肉の硬直は、自律神経の乱れにつながる可能性があること。

むち打ちの症状に、めまい吐き気といった自律神経の不調があることや、腕のしびれなど身体の異常などの症状があるところには、首の筋肉や靭帯の異常が原因となっている事がほとんどです。

厄介なのは、首の筋肉は、普段から頻繁に動かすところでなく、ただでさえ肩こり首こりとして、慢性化しやすいところにあります。

相互作用で悪化や長期化もありうる

物理的および心理的な要因が組み合わさることで、事故直後には顕在化しない症状が後になって現れることがあります。特に、不調がおさまらない、という不安は、日常生活や適切な運動や適切な治療などの行動を妨げることも少なくありません。

このように、交通事故後の体調不良は複数の要因が複雑に絡み合って発生します。事故後に感じるさまざまな症状の背後には、これらの物理的および心理的影響が隠れていることを理解することが、適切な対処への第一歩となります。

交通事故治療　１４日ルール

交通事故発生後、14日以上経過したら、自賠責保険や人身傷害保険での治療が難しくなります。

つまり、交通事故が発生後、13日以内に医療機関に受診する必要があるということです。14日以上経過してしまうと、事故との因果関係がないものと判断され、自賠責保険や人身傷害保険での治療が難しくなってしまいます。